
「新自由主義」とは何ですか?④
新自由主義の特徴の一つが「規制緩和」です。今まで保護政策をとっていた政府が、「規制緩和」を行う事により競争を激化させ、「グローバル社会で戦える企業」や「利用者サービスを向上させよう」としたのです。
過去の日本は、国は企業を保護していました。「守られている」との思いから、「利益を追求するためのアイデア」を出さなくても会社は生き残れたのです。
例えば、
金融の分野では、金融機関の保護政策である「護送船団方式」から、金利の自由化などによる競争社会へと変化しました。そして相次ぐ金融機関の破綻へと発展していきます。
前のページで述べたタクシーの分野では、台数制限を撤廃し、ある一定の条件をクリアすれば参入できる仕組みに変更しました。このため、タクシーの運転手の所得が大幅に減少することになります。(福田内閣により規制強化を検討しています)
お酒の分野では、販売するにいたっは免許が必要なのです。今でもこの現状はかわりませんが、今まで人口規制というものがあり、参入するのはとても厳しかったのです。(酒屋さんの保護政策)
このような規制緩和をいくつも行ったので(大きな政府から小さな政府)、企業同士の競争が激しくなったのです。企業が勝ち残るためには、今までの仕組みを変えなければいけない事に気がつくのです。そこで、人件費を削減するために正社員から派遣社員に切り替えるのです。
これが、格差社会の原因の一つとなります。
ヨーロッパでは、競争で敗れ去った人に対しての対策は整いつつあるそうですが、アメリカや日本では「小さな政府」との名目から、予算の捻出をためらっている傾向にあります。
アメリカが押し付けた新自由主義政策を導入した結果、世界では様々な事態が起きています。メキシコでは、予算の支出をカットしたことにより、農家に対しての「融資の削減」や「補助金のカット」 これにより貧富の差が拡大し治安が悪化(新自由主義を導入した国は同じような状況になっています)ついには政権交代により中道左派系の政党の党首が政権を担う事になりました。
ベネズエラでは「チャべス大統領」が指導力を発揮しました。アメリカとベネズエラの有力者が支配していた石油利権を国有化し、石油から得られる利益を国民に分配したのです。
チャべス大統領の指導力を参考にした南米の国々は新自由主義と決別します。国民に支持された結果、「アルゼンチン」・「チリ」・「ブラジル」・「ウルグアイ」・「エクアドル」・「ペルー」・「ボリビア」などで中道左派系の政権が誕生しました。
イギリスでは、サッチャー(保守党=支持母体は富裕層)により新自由主義(サッチャリズム)を導入した結果、劇的に経済が回復しました。しかし、貧富の差が拡大し、病院など公共サービスを受けれない人たちが増えてしまいました。
1979年サッチャー首相(保守党)誕生
1990年メージャー首相(保守党)誕生
そして 政権は保守党から労働党に移ります。
1997年ブレア首相(労働党)の誕生です。
この状況を修正しようと考えた「トニー・ブレア」(労働党=支持母体は労働者)は「大きな政府」でも「小さな政府」でもない「第三の道」を提唱するのです。
新自由主義以前に行われていた福祉政策は、社会保障が必要な世帯に対し、直接お金を支給されていました。しかし、ブレアの考えは少し違います。「社会保障費で使われるお金を、なるべく労働者が働ける環境を整えるため使おう!」と考えたのです。このような「金銭的な平等」ではなく「機会の平等」を行う事により、弱者を救済しようと考えました。
この「第三の道」はヨーロッパに波及し、社会民主主義政党がこの政策を導入しようと考えました。そして、ヨーロッパでも相次ぐ政権交代が起きたのです。
新自由主義による経済の発展と、それに伴う労働者環境の悪化が問題になっている昨今。日本では福田首相による路線変更とも取れる経済政策と、それに伴う経済成長率の減少。新自由主義に伴う世界的な政権交代と、それを突き進んだ小泉政権の選挙の圧勝。そして、ネットカフェ難民等「格差社会」の問題が取りざたされている現状と、2009年に迫る衆議院選挙。
今度の選挙は、タレント議員による人気取りの選挙ではなく、大胆かつ魅力のある政策を打ち出した政党が、選挙を優位に進める事になるでしょう。それだけ国民の生活が切羽詰っている状況なのは言うまでもありません。
参考資料
ブレア時代のイギリス 山口二郎著 岩波新書
カサナグのフィリピン
wikipedia
他
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