2008年8月3日更新 記者 おとなっち


経済提案2 農業・漁業の救済方法

原油高の影響が死活問題になっている漁業。そして、安い海外の農作物の輸入により、今後さらなる懸念に見舞われるであろう農業。カロリーベースでの食料自給率が39パーセント(平成18年)にまでに落ち込んでおり、対策が急務となっている。(資料 農林水産省)

農業・漁業従事者は年々減少傾向だ。農林水産省の統計によると、平成20年2月1日現在、農業経営体数は180万4千と前年比3.4パーセントの減少。統計はこちら

漁業にいたっては平成19年11月1日現在、漁業就業者数が20万4330人と3.8パーセントの減少となっている。統計はこちら 原油高以前の統計から、今年はさらに漁業者数の減少が予想される。


2008年7月28日、水産庁の原油高に対しての緊急対策を発表した。水産庁のホームページによると、省エネを推進した漁業者に対し、745億円の支援を行うそうだ。燃油高の差額の9割を補填するのが大きな柱となっている。 燃油高騰水産業緊急対策の概要

漁業にのみ原油高の補填を認めることが、はたして公平といえるのだろうか?今後の議論に拍車がかかりそうだ。


客観的にこの問題を見てみると、原油が高騰しただけでこのような漁業のもろさを露呈してしまう背景には、根本的な流通構造の問題があげられるだろう。外的要素がどのような状況であれ、農業や漁業は強くなくてはならない。

そこで提案したいのが流通の構造だ。

2008年7月16日の読売新聞社説によると、100円の魚が売れたとしても、漁師の収入は24円、スーパーの取り分が60円だそうだ。これでは安定して漁業の経営を営む事はできないだろう。(ちなみに農作物の収入は若干高い比率だそうです)

流通革命は以前から言われていた。「卸売業」を省く事で、生産者側と小売側との直接取引きによる「コストの削減」を目指す考え方だ。しかし、「卸売業」は数多く商品をさばくことによる「薄利多売」で運営している。ここにメスを入れるだけでは抜本的な構造改革にはつながらない。

そこで、小売業をも省く考え方を提案したい。インターネット取引による、生産者側の直接販売が定着しつつある。しかし、「100g120円の豚肉を200グラム」購入したい場合、400円の送料を出してまで買いたい人は存在しないだろう。今すぐ購入したい人たちにとっても、インターネット取引は不向きなのだ。

ネットでの取引額は年々増えている。しかし、ネットとの差別化を打ち出すためには、卸売業と小売業を省く流通のしくみが急務となるだろう。正確にいうならば、「小売業」が「小売業」を運営するのではなく、「地主」が販売スペースを生産者に提供する仕組みだ。

お米ならば、地主がAという生産者と直接契約を結びスペースを提供する。お米が売れたならば、その手数料収入の一部が地主に入る仕組みだ。単純に言うならば、100円のお米が売れたなら、15円をを手数料として地主に渡し、残りの85円を生産者に流れる。小売業と卸売業(農協・全農・米問屋)の利益が「地主」と「生産者」に流れる仕組みだ。

生産者が直接販売しなくても良い。お米を置くスペースだけを提供してもらい、地主が「在庫補充」や「レジ」の人材を確保する方が合理的だ。さらに「レジ」を、ガソリンスタンドのような「セルフサービス」方式を採用すれば人件費を大幅にカットできる。生産者側は利益が大きくなるので、値段を大幅に値下げしても十分やっていける。お客さんも安い商品を購入できるので大喜びだ。

日本の米は1942年にできた「食糧管理法」という法律により流通が制限されていた。生産者から直接消費者にお米を販売する事ができなかったのだ。しかし、規制緩和により1995年に食糧管理法が廃止され、新たに「食糧法」が施行。2004年に「食糧法」が改正され、登録すれば自由にお米を販売する事ができるようになった。

物流に対しての課題も残るが、流通の構造が変れば、農業や漁業の活性化につながるだろう。都心の競争が激しい物流業界だが、21世紀は地方を制覇した企業が生き残ることになるであろう。

国は、農業や漁業に対して直接補助金を出すのではなく、一生懸命生産した人に対し、物流費などの”間接的”な補助金を支給した方が健全的だ。何故なら、生産者が頑張って販売した利益が”税金”として国などに返ってくるからだ。

農業に対しては、関税の問題も注目しなければならない。ここに穀物の関税表がある。お米1キロあたりの関税はなんと「341円」だ。10キロのお米だと3410円。海外で生産されたお米が、日本のお米屋さんで見かけない理由がよくわかる。

日本は輸出国だ。日本の豊かさは「車」などを海外に輸出しているからこそ実現できている。しかし、「車」を海外に販売するときに関税がかけられている。「車」などにかけられる関税を下げる事ができれば、海外で日本の車がもっと売れるだろう。

しかし、海外の国々は「日本の農作物などの関税を下げなければ、日本で作られた車などの関税は下げませんよ」と言うのだ。海外の企業と戦うためには「関税」が高くては不利になる。だが、この条件を受けてしまうと日本の農業は崩壊する。

日本における二国間での貿易交渉は現在孤立状態になっているそうだ。農業の競争力の上昇こそが、国内の輸出力を引き上げる事につながるのだ。

農業従事者や漁業従事者が生き残るためには、搾取される流通のしくみを根本的に変えなければいけない。


経済提案について
自分なりのアイデアではございますが、すでに仕組みがありましたらごめんなさいm(__)m